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バイクのテスト走行とは?バイク愛を活かせる、魅力とやりがいのある仕事

通常、バイクを開発する際にはテスト走行が行われます。テスト走行の仕事は、単なるバイク好きなら誰でも務まるものではありません。様々な走行条件下でバイクを走らせ、エンジン特性やハンドリング、ブレーキ性能などの挙動を確認し、客観的なデータに基づいて性能や安全性、耐久性を評価するため、専門的な知識と技術が求められます。本記事では、バイクのテスト走行の目的や具体的な仕事内容について紹介します。
 

バイクのテスト走行とは?

バイクのテスト走行とは、バイクを実際に走らせたり、機械による試験や実験を行ったりして、バイクの性能や特性、開発中の問題点などを確認し安全性や耐久性を評価するためのテストです。
テスト走行は、車検や定期点検整備、中古車販売前などにも行われますが、開発段階でも実施され、いずれも安全な走行を確認するための重要な役割を担っています。

万が一、不具合や問題を抱えたままのバイクが世に出回ってしまったら、大きな事故にも繋がりかねません。
確実な性能や安全性、耐久性を確認する走行テストは、製品が世に出回る前の最後の砦とも言えるのでしょう。

走行テストで確認する5つの主要項目

テスト走行は、主に5つの項目に分けてそれぞれの状態や性能を確認します。

エンジンの状態

エンジンの回転数や排気ガスの量、エンジンによる振動などを確認します。

ブレーキの状態

ブレーキの効き具合や制動距離、ブレーキパッドの摩擦状況を確認します。

灯火類の点灯状況

ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなどが正しく点灯するかどうかを確認します。

走行性能

走行時における加速の性能、最高速度、操縦性、乗り心地など、実際にバイクを走行させて確認します。

耐久性

機械を使って長時間走行した状態を再現し、走行後の車体の状態や部品の摩耗・劣化などを確認します。

テスト走行の評価内容

上記の項目を評価するために、主に4種類の実験が行われます。走行の信頼性や耐久性、機能などを客観的なデータに基づいて評価します。

車両機能実験

車両機能実験では、完成した車両の諸機能や信頼性、耐久性、商品性などの機能信頼性について、台上で評価します。
また、同時に実走行により、操縦の安全性や信頼性に関する走行機能評価も行われます。

強度実験

強度実験は、材料や部品の強度や実走行の強度などの解析や評価を行う実験です。
また、実走行によって算出されたデータをもとに条件を設定し、台上で耐久性についての評価も行ったうえで、部品の強度を測定します。

電気電子システム実験

電気電子システム実験では、電装品の機能評価と耐ノイズ性評価に関する実験を行います。
主に、車両に搭載されている電気電子部品の機能や、完成品が外的な影響を受けないかどうかなどの評価を台上で行う実験です。

パワートレイン実験

パワートレイン実験では、エンジンの諸元測定や評価用エンジンの組み立て、耐久性の評価などを行います。
また、性能測定や排ガス測定など、燃焼制御に関する評価も行います。

テスト走行の注意点

バイクのテスト走行は、公道やテストコースを使った実走行も行うため、安全面への配慮が必要です。
テスト走行を安全に行うために、以下の点に留意しましょう。

走行前の車両チェック

テスト走行を行う際は、必ず走行車両の基本的なチェックを実施しましょう。

  • タイヤの空気圧や摩耗状態
  • ブレーキの効き
  • ライトやウインカーなどの灯火類が正常に作動するか
  • オイル・冷却水の量や漏れの有無
  • ハンドル操作の遊びやガタつきの有無 など

安全装備の着用

テスト走行を行うライダーは万全な安全装備を身につけなければいけません。

  • フルフェイスヘルメット
  • ライディングスーツ
  • プロテクター
  • グローブ など

天候や路面状況の確認

テスト走行を行う場所の天候や路面状況は安全面に直結するため、必ず事前に確認しましょう。

  • 雨天時はスリップに注意しながら速度を抑える
  • 路面温度が低かったり凍結の恐れがある際はタイヤのグリップ状況を考慮する
  • 路面の凹凸や落下物なども事前に確認する など

テストの目的や走行プラン明確化

ブレーキや加速の性能、ハンドルの操作性など、テスト項目を明確にし、無理な走行は避けましょう。

  • テスト目的に応じたルートや時間、速度の設定
  • 複数項目を確認する場合は、順序と時間配分を設定

実施内容の記録とフィードバックの徹底

テスト走行の内容や結果は、開発の改良や改善に不可欠です。
必ず記録を残し、異常があった場合は速やかに報告しましょう。

  • GPSや車載カメラによる記録
  • ハンドリングや異音などライダーによるフィードバック
  • 異常があればすぐに中止し速やかに報告

まとめ

バイクのテスト走行は、単なるバイク好きが高じてできるものではありません。
高い運転技術や豊富な知識、客観的な評価能力、そして何よりもバイクへの深い情熱とプロ意識が求められる、専門性の高い仕事です。

「バイクの可能性を追求したい」「バイクの進化に貢献したい」などという想いをお持ちであれば、テスト走行を行うテストライダーという道も選択肢の一つかもしれません。
バイクと真摯に向き合い、開発に直接貢献できる、他に代えがたい専門職だと言えるでしょう。

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